ここでは、アクセルナイツの世界設定を簡単にご紹介します。
機馬とは、主人公たちの暮らす時代の主力戦闘兵器です。
魔法の研究から生まれた"魔導回路"と呼ばれる機械によってその大半が構成されています。
機馬は元々、2つの全く異なる研究開発が統合されて誕生しました。
1つは魔導回路を利用した自走二輪車の開発、もう1つは神にも等しい強大な魔法を使う "王族"と一般人が対等に戦う為の魔導兵器の開発です。
二輪車開発の研究者たちは資金難を打破する為に、国家に魔導エンジンという魔力供給システムを売り込みました。国の元で進行していた魔導兵器の研究者は、この莫大な魔力を供給できる魔導エンジンに目をつけ、「魔導兵器となる自走二輪車」という新しいコンセプトを提案します。
やがて「走行から瞬時に攻撃可能へ」「防護機能をより優先する」といった要望が取り入れられ、
最終的に「搭乗者と合体する二輪車」という機馬の原型が完成しました。
機馬の燃料は空気中の魔力です。その為、整備不良がなければ理論上永久に走り続けることが出来ます。
搭乗者はまず自らの"意志"を、ハンドルを通して魔導回路に送り起動させます。
すると機馬中央にある魔導エンジンが、自動的に空気中の魔力を吸収します。
この魔力を搭乗者の"意志"に合わせて回転回路に送ることで走行が可能になります。
なお、独特の排気音は魔導エンジンが余剰に吸収した魔力を空気中に吐き出す音です。
機馬は大別して3つのタイプが存在します。
1.対王族用機馬
機馬本来のコンセプトを元に作られた、ノンリミッターエンジンを搭載した機馬です。
魔導エンジンの性能が許す限りの速度で魔力を吸収し続けることが出来ます。
基本的に旧式で、非常に扱いが難しい機体です。
作中ではマキシムの機体がこれに当たります。
また例外として、新しいエイデンの機体もこのタイプに当たります。
2.一般騎士用機馬
機馬の需要が急速に伸びた為に開発された、対王族機馬の後継機です。
一般的な騎士でも安定して使用できるよう多くの改良が加えられています。
特に最大吸収魔力量はリミッターによって抑えられており、破壊力も大幅に制限されています。
作中ではテッドの機体がこれに当たります。これらはシリーズ化され、量産されています。
3.王族用機馬
上記2タイプとはまったく別のコンセプトで設計された機馬です。
魔力を自ら集められる王族が搭乗する事を前提としており、
通常の人間では出力が足りない為に起動すら出来ません。
また、搭乗者の魔力による干渉を抑える措置が施されており、その結果大型化しています。
その代わりに天然の魔導エンジンである王族から大出力の魔力を供給出来るので、
回転回路を初めとした魔力の受け取り先は非常に強力なものを使用することが可能です。
騎士とは大まかに2つの存在を指します。
1つは王族に仕え、王族を護る為に生涯を捧げる戦士のこと。
もう1つは機馬を駆り、敵国と戦う兵種のことです。
作中の時代では一般的に後者へと認識が移り変わりつつあります。
騎士の歴史は、王族の身辺警護をしていた戦士に端を発しています。
神の如き魔法を操る王族は、その立場上多くの敵を相手にしていました。
その為、常に暗殺者や暴徒から身を守るべく、騎士と呼ばれる忠臣が必要となったのです。
元来王族の警護役だった騎士ですが、魔導文明の発達によって別の役目が与えられます。
それが王の剣となり、相手国の王族を倒すという現在のスタンスです。
騎士は国に管理されており、給与なども国から直接支給されます。
有事の際には戦争に赴きますが、普段は自身の鍛錬を積むのが彼らの仕事です。
機馬の誕生当時、その機動力は他国へと進軍する為にのみ使われていました。1人の王へ1人の騎士が立ち向かうという図も珍しくは無く、当時の話を脚色した多くの英雄譚も各国に残されています。
しかし機馬の配備が進むに連れてその戦闘スタイルは大きく変わりました。
今では決闘のような魔力障壁は戦場の魔力が枯渇する為に張ることが出来なくなり、
機動力を活かした高速戦闘の技術が求められるようになっています。
決闘は騎士同士が決まった手順で、お互いの望みを賭けて戦うことを言います。
機馬の誕生により手法は激しくなりましたが、その意味合いは変わっていません。
決闘で死ぬことは騎士として誇るべき栄誉であり、結果に関らず両者は相手に礼を尽くします。
王族がまだ王族同士で戦っていた頃、その余波は恐ろしいものでした。決着がついた時に勝利側の国が滅んでいたという例は幾らでもあり、彼ら自身もその惨状に心を痛めていました。
そこである王が、もし自らの騎士に勝つ騎士が居ればその国へ下ると宣言します。
絶対の信頼が無ければ出来ないその戦いを提言した王を各国の王が讃え、決闘という手段が定着しました。
つまり決闘とは、本来国の行く末を決める戦いが変化したものなのです。
既に形骸化しつつある決闘という手段が今なお残っているのは、騎士たちの精神が継承されている証です。
王族の力がもはや過去のものとなった今も、彼ら騎士が国を裏切らないのは脈々と受け継がれてきた主君と臣下の絶対的忠誠があるからであり、その象徴がこの決闘という戦いなのです。